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最高に素晴らしいこと / 目の前に存在する大切さに気づく

いろんな感情が渦巻いて。
あんなにいい感じだったのに。
あんなに幸せな時間を過ごせたのに。
これだけ大切だと思える人と思えるようになったのに。
なのにどうしてあなたは消えてしまったの。私を残して。
こんなにも大切な人を失う苦しみは、辛さは、これ以上味わいたくないのに。
まだ昔の傷は癒えていないのに。
私の苦しみを知ってるはずなのに。
それでもあなたは去ってしまった。
もう永遠に会えなくなってしまった。
もう唇で求めることもできない。
身体に触れることもできない。
同じ時間を過ごすことも、楽しい時も辛い時も一緒にいることができない。
感情を分かち合うこともできない。
こんなに寂しいことがあるだろうか。
どうして自分の思いを打ち明けてくれなかったの。
どうしていつもはぐらかしてばかりで「大丈夫」だなんて嘘をつくの。
辛い時は辛いって、苦しいって言ってくれなかったの。
もう一人で抱え込む必要なんてないのに。
あなたが私を暗闇のそこから救い上げてくれたように、今度は私があなたの力になれたかもしれないのに。

…みたいなことが一気に溢れ出ちゃったぼくなんですが、でもバイオレット目線から見るとそういう感想が出てくるから仕方ない。
だから恥ずかしさもあるけどあえて消さずに残しておきました。

交通事故で姉を亡くしたバイオレット。
彼女は姉の事故死以来心を閉ざし、全てに無気力になっていた。
姉の誕生日の日に自殺しようと橋の淵に立っていた。
そんな彼女を見つけたのは、同じ学校のフィンチ。
フィンチもまた心に傷を負っていた。
彼は幼少期に父親から虐待を受けていた。
彼には姉がおり、その姉もまた暴力を受けていた。
フィンチはなぜ父が暴力をふるう必要があったのか。
暴力をふるいたくなる原因があったはずだ、その原因がわかれば解決できるかもしれない。
だけど姉は奴がどうしようもないロクデモナイ人間だから、打つ手はなかったんだと取り合わない。
人間誰しも心に闇を抱えているだろうし、傷を負っていない人なんていないと思う。
問題はその傷や闇とどう向き合っていくか、だと思う。
バイオレットのようにふさぎ込んでしまって、人生はもうどうでもいい、何一つ楽しいことなんてない、と思うのか。
それともフィンチのように苦しみに溺れそうになっても、もっといい面を見ようと外へ向かうか。

フィンチは本当に心が優しい人。
だから大切な人傷つけてしまった苦しみに、自分から遠ざけてしまった苦しみに耐えられなくってしまったんだと思う。
もっと素直に苦しいと言うことができれば、あるいは救われたかもしれない。
フィンチは自分と向き合うことができずに潰れてしまった。
バイオレットは自分と向き合う強さを持っていた。
姉との日々を封印せずに自分の口で語り出す。
最も苦しい出来事に向き合って言葉にするのは難しいことだろうと思う。
でも言葉にすることで自分の考えを整理できる奇貨にもなるだろう。

ラストは死別と言う衝撃的な展開を信じることができなかった。
バイオレットのフィンチとの思い出を語るシーンでうるっときてしまった。
周りには素晴らしいことがたくさんある。
普段は何気なく通り過ぎる場所でも、見方を変えれば美しいものはたくさんある。
幸せはすぐそこにある。すぐそこにありすぎて見えなくなっている。
気づかないでいる。全ては感じ方一つなんだと。
でもほんと、途中が幸せすぎたからこそ、この死別は辛すぎる。

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