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アーミー・オブ・ザ・デッド / ゾンビの王国に乗り込んで、金を回収する危険なミッション

アメリカのラスベガス。
そこはギャンブルにいそしみ、一攫千金を狙う人々で溢れかえる街。
しかし今となってはゾンビの群れに占拠され、ゾンビの王と女王によって統治され、人間が踏み入れることのできない危険地帯と化していた。
大統領をはじめとする合衆国政府は事態の収拾のため、小型の核兵器で、ゾンビの群れを一掃しようと計画する。
その計画によって街が破壊される前に、日本のある実業家は、ラスベガスに眠っている大金を回収しようと、命知らずの強者どもに声をかけていた。

はっきりいって結末は悲惨だった。
パッピーエンドとは程遠いような終わり方だ。
確かに救われる者の命もいるけれど、金を回収する命知らずなミッションに参加した人たちのほぼ全てが、ゾンビの犠牲となって息絶えてしまった。

ミサイルによって街が破壊される前日までに、地下に残された金を回収し、屋上に取り残されているヘリコプターで逃げ出すという計画。
計画自体はシンンプルなもので、準備にも抜かりはない。
金庫のある建物までは慎重に歩を進め、犠牲者を出したものの、無事に金庫にまでたどり着くことができた。
ここまでは良かったものの、事態はそううまく運ばない。
チームのメンバーはある程度顔なじみだが、ミッションを依頼した日本人から遣わされた監視役の人物が、チームの規律を乱し、自分勝手な行動から、全員をゾンビの襲撃へと巻き込むことになる。
混乱に乗じて自分だけゆうゆうと逃げきろうと企んでいたものの、やはり悪者の寿命は長くなく、トラのゾンビによって悲惨な死を迎える。

さらに最悪なことに、ミサイルの発射時期が前倒しになり、1日早まることとなった。
本当であればもっと時間的に余裕があるはずだったが、突如として計画に誤算が生じる。
金庫破りの天才の活躍は、前日譚の『アーミー・オブ・シーブズ』にて鑑賞済みだったが、本作ではあまり語られることなく、金庫も前日譚よりはパッとしない見栄えの金庫だったのは残念だった。
とはいえ無事金庫を開け終わり、金を回収してあとはずらかるだけの段階で、別行動でゾンビの女王の首を切り落とし、ゾンビの王の逆鱗に触れたことで、彼らの元にゾンビが襲来することになる。
ここから激しい銃撃戦が繰り広げられ、多数の死者を看取っていくことになる。
大量の札束に歓喜の雄叫びをあげ、袋いっぱいに詰め込んでいたのに、回収した金はほぼ残ることはなかった。
天才的な金庫破りのセバスティアンも、仲間を金庫の中へ避難させ命を救ったものの、ゾンビの餌食となってしまい、仲間と再会することは叶わなくなってしまった (前日譚の話) 。

セバスティアンに命を救われた男は、ミサイルの爆撃後に崩壊した街から生還し、自身の取り分の金を持って安全な街へと向かった。
しかし残念なことにゾンビに噛まれていることが判明し、大量の金も無意味になることによってか、自身の変身によって災厄が繰り返される運命を悟ってか、不敵な笑みで幕を閉じる。

日本人から金の回収を依頼されたスコット。
彼はラスベガスの避難地区にいた娘のケイトが、チームに同行するといって聞かないため、渋々了承することにした。
彼女は、恐れ知らずも危険地帯に立ち入って、カジノの金を回収しようとして、行方知れずになった子供たちの母親を探そうとしていた。
ケイトはスコットの元を離れないよう重々言い聞かされていたが、隙を見て抜け出し、囚われているかも知れない母親を探しにホテルへと向かう。
スコットはいなくなったケイトを探すため、危険を承知でホテルへと乗り込む。

ここであえて批判的なことをいってしまっては元も子もないけれど、この危険を犯したことによって、最終的には助け出した母親もゾンビの餌食になってしまった。
さらにヘリコプターに乗り込んできたゾンビの王との死闘により、スコットはゾンビに噛まれ、ゾンビへと変身し、ケイトは父親の脳天を打ち抜かなければならないという悲劇に見舞われる。
母親を助けたい一心でとった行動が、結果もっとも悲しい顛末を引き起こしてしまったことが、この映画の哀愁をより一層引き立てているのかも知れない。
だからといって助けなければよかったとはいわないが、思うところはあるだろう。

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