das-privileg

恵まれた子供たち / その恵まれた生活は、全て作られたものだったとしたら

親は、子供が成長するまで、とことん面倒を見てくれる。
食事を与え、学校に通わせ、運動させ、病気になったら医者に診せて治させる。
子供は親の愛情と庇護を一身に浴びて、大きく成長する。
親は、子供のためにいろいろと手をかけるものだ。
しかし、それが嘘だったら?
子供のためでも何でもなく、自分たちが長く生き延びるための器として育てているのだとしたら?
育ての親が、実の親でなかったとしたら?
青年に達した若い身体が目当てだったとしたら?
そして、自分が育てられた本当の理由が、悪魔の入れ物になるためだったとしたら。
この映画は、今までの生活は悪魔のために育てられたものだった。
という寒気がするような展開の映画だった。

肥え太らせていたのは子供のためではなく、悪魔の野望を達成するためだった。
ホラーには違いないが、恐怖心を掻き立てるようなものではなく、真実を知ってゾッと身震いがするような感じ。
悪魔は人間の身体に乗り移り、野望を果たそうとする。
しかし、人間の身体は寿命があるため、宿主が死んだら新しい身体に乗り換えらなければならない。
そのために孤児をさらい、ご飯を与え、成長させる手間暇と引き換えに、青年に達したときに新たな器として提供してもらう。
病気を治すために必要な薬の中に、人間に寄生する細菌を混入させる。
作中では精神安定剤に入っていたが、どんな薬であれ、人間にとっては必要なものの中に、悪魔へ身をささげる要素が入っているとすると、防ぎようがない。
身近に感じるものだからこそ、特に医者から処方される薬には、疑いをいだきにくい。

いろいろと頑張ってはいるものの、悪魔は生き残り、薬は販売され続け、偽物の親と双子の妹を亡くしただけ。
何も解決していようで、続きがありそうな終わり方。
今までの生活が嘘だったら? と思うと、ちょっと怖いよね、という感じ。
ドイツは挑戦的な映画が多い気がする。

その他の記事