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ドクター・ストレンジ / 魔法の世界に魅せられた元医者は、常識を超越する

ドクター・ストレンジは「ドクター」であることに強く執着しているように感じる。
人々の命を救う使命に誇り高いプライドを持っていて、それが彼の傲慢さにもつながっているのだろう。
自分の磨き上げられた医療技術で、助かる見込みのない患者の命を救い、難題な局面を切り抜けて、名声を博する案件にしか手を出さない。
自分が注目される案件と、失敗して評判を傷つけない案件を選別する。
自分が選ぶ立場だったらそれでよかったかもしれないが、自分の不注意で事故を起こし、ボロボロになった手を復元させるために、いろんな優秀な医者に頼んでみるも断られてしまう。
その理由は、手術を失敗したことで評判を傷つけたくないから。
まさに自分が断った理由で断られてしまうという皮肉。
自分の身になって初めて、傲慢さが身に染みる。

全ての財産をつぎ込んでも治すことができなかった己の手。
その神の手でさまざまな患者の命を救い、自分のアイデンティティともいえるその手を、昔のように繊細に動かすことができなくなったストレンジ。
彼は半身不随になった男が歩けるようになった事例を聞き、カマー・タージという場所に行けばどんな傷も治ると知って、藁をも掴む思いでその地を訪れる。
出会った僧侶は魔法の使い手で、病を治すには自分の精神次第だと諭す。
師範のエンシェント・ワンは「マルチバース」という多元宇宙を見せ、自分が信じている世界はごくわずかなものであり、どんなことでも起こりうる、治らないと決めつけるのではなく、そんな常識を捨てされと説く。
多元宇宙に魅入られたストレンジは弟子入りし、魔法の稽古を受けるも、なかなか上達しない。
だけど、己の限界を超えてようやく魔法が使えるようになると、ボサボサだった髪とヒゲを綺麗に揃え、医者として輝いていた頃のように激変した変わり身の早さといったらない。
さすが医者の道を極めただけあってか、頭や要領もよく、写真記憶で見たものをそのまま覚えることができる天才型。
アストラル次元で、寝ている間も魂は本を読み続け、多くの本を読破して知識を吸収する。
一度魔法を体得したら、後は練習を重ねて腕を上げるだけ。
上級魔術師しか扱えない魔法も簡単に習得してしまう。

多元宇宙の中には暗黒次元があり、その力はとても強力なものらしい。
カエシリウスは暗黒次元の強大な力に魅入られ、暗黒次元こそ、人間が幸福になれるところだと信じて疑わず、地球を暗黒次元にひきづりこもうと計画していた。
魔術師になってまだ日が浅いのに、手練れのカエシリウスと対等に戦っているあたり、さすが優秀で飲み込みが早いな、なんて思う。
師範のエンシェント・ワンは、暗黒次元の力が危険だとたしなめてたが、そういう自分も暗黒次元の力によって命を生きながらえていた。
危険だからと他の魔術師には遠ざけておいて、自分はその恵みを得ているのか、と激怒したモルド。
時空の掟を破ったストレンジにも反発し、カマー・タージを抜け、放浪の身となる。
モルドは余計な魔術師が増えすぎたことに怒りを覚えていた。
彼はいずれストレンジの敵になるのだろうか。

魔法を描いた作品で、一番好きな映画かもしれない。
魔法って結構夢を見させることができると思っているんですけど、だいたいどの作品も魔法が描かれはするけど、ちょっと控えめというか、なんだか思ったよりもパッとしなかったなぁっていう作品が多い (あくまで私感ですけど) 。
でもこの作品は魔法使ってるなぁっていう感じがしました。
アクションとしては普通かもしれないけど、街が回転したりだとか、空間が歪んだりだとか、時間が巻き戻って壊れた建物とか死んだ人が蘇ったりだとか。
特に終盤の香港のシーンとか圧巻でした。
冒頭のカエシリウスとエンシェント・ワンが戦うシーンとか、カエシリウスがニューヨーク支部を襲って、ストレンジが街中で逃げていくシーンとか、もうわけがわからないけど、時空を操っている感じが見ていて好きだなぁって感じました。
これはもしやハリー・ポッターを超えた魔法レベルでは?
ハリー・ポッターよりも魔法してる、なんて思いました。
結局ストレンジはまだ手を治せてないみたいですね。

ちなみに、スパイダーマンに登場したピーターの親友の男の子。
彼が作中で次元の輪を出したことに驚いていたストレンジでしたが、自分でも習得に苦労した魔法を、ちょっと間で使えるようになっていたことに軽くショックを受けていたんだな、となんだか納得がいった感じです。

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