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ドント・ルック・アップ / 必死の訴えも誰も聞いちゃくれない

ディカプリオめっちゃオッサンになりましたね。
歳をとっても全然ダンディーでカッコいいんですけど、やっぱり中年になると太ってしまうのは避けられないんでしょうか。
それとも役作りで太ったのか。
それにしてもやっぱりディカプリオはイケメンですね、役も上手い。
と、大好きなディカプリオが、NETFLIX Original Film『Don’t Look Up』にも出演。
前から気になってたんですが、ついに観ました。
予告を見る限りでは巨大な彗星を発見し、その彗星が地球に衝突する! みんなヤバイぞ!
なにか対策しなくちゃ! 人類が、地球の生き物が絶滅してしまうぞ!
って危機感をめっちゃアピールしているのに、周りが馬鹿ばっかりで全然話が通じない。
もうどうすればいいんだ! っている内容で、これは観るしかないでしょうと好奇心をくすぐられますね。
そうして本当に救いのない映画でした。
あ、あと DUNE の主役だった人が出ていました。
めっちゃファンキーな感じなのに信仰心に熱いひとでした。

彗星が地球に衝突するのは確実。そして人類の滅亡は免れない。
そして期限はあと半年とちょっと。
もう目の前に差し迫って予断を許さない状況。
世界中の科学者が計算をしてこの事実は嘘ではない。
この衝撃の事実を大統領に謁見して現実を見せ、国家規模、いや世界規模で一丸となって対策に乗り出さないといけない。
対策チームを至急立ち上げて何がベストな方法か協議する。
普通ならそういう展開になると予想する。
そう、普通の神経なら。
だがしかし、今回は一味違う。
大統領は個人のスキャンダルの対応に忙しく、地球滅亡と言ったって今まで様々な問題が立ち上がっては解決していった。
だから今回もなんとかなるでしょう?
とりあえず静観しましょう、であっけなく終わる。
彗星を発見した教授と研究員は、話の通じない大統領に呆れ返り、それならとニュース番組で世間に直接警鐘を鳴らそうじゃないか、と乗り込むも陽気にスルーされ事の重大さが伝わらない。
彗星の衝突? 地球の滅亡? あらそれは大変ね。
以上。

もうどうしてこんなに話が通じないのか。
教授と研究員は、それはもうその事実を公表するためにどんなに緊張したことか。
公表した時点で世界は混乱に陥り、国家機密事案が一ニュースで報道されたとなれば一大事になる。
責任を背負うには事がデカすぎる。
そんな未来を想像したら息もできない。
そんな深刻な面持ちで思い切って打ち明けたのに、世間はどこ吹く風。妄言扱いされて終わり。
何ということだ!

しかし希望あはある。
大統領はことの重大性にようやく気づき、謝罪した後に対策委員会を立ち上げ、彗星を爆発させようとロケットを発射するまでことが進む。
だがそれはスキャンダルから目をそらし、世界を救う使命を背負うことで印象づけ、次の中間選挙を乗り切るためだった。
不順な動機はともあれロケットは発射された。
後は爆破するのを待つのみ。
だがこの映画、そう簡単には終わらない。
発射したはずの人類の希望を乗せたロケットが、何故か引き返しているのだ。何が起こっている?
そう、彗星には人類が喉から手が出るほど欲しがっている、希少な鉱物の塊だったのだ。
爆破して粉々にするのはもったいない。
小さく分裂させて地球に落とし回収しよう。
そうすれば何百兆円にもなる資源を確保できる、と。
そう、人間は滅亡を目の前にしても、金の欲には逆らえないのだ。
テクノロジーの最先端を行く企業が利益を独り占めするために、世界各国の協力を断り、批判的な意見を言う科学者を根こそぎ排除し、強引に計画を進める。
計画が上手く行けば彗星なんて怖くない。
「Don’t Look Up. 空を見上げて怖がるより、前を見て一歩一歩進もう。」
いい話だけど、ここまで来たらただの現実逃避。

人間は短期的なことに目を奪われがちで、長期的な先のことには判断が疎くなる。
地球は滅亡するという予言は何回も聞かされ、また同じようなことを言っていると軽く流す。
オオカミ少年のように。
情報に溢れた現代はどれが本当の事実なのか、出処はどこなのか、あまりに疎くなりすぎているのかもしれない。
テクノロジーで何とかできるだろう、まさか地球は滅亡しないだろう、するとしても自分が生きているうちにはない。
お上がどうにかしてくれるだろう、自分たちはただ無事に終わるのを待っていればいい。
平和が続いている現代は楽観主義が蔓延している。
しかし実際空に彗星が見え、衝突が間近に感じられるときになって初めて、人間は危機感を覚え、混乱し、狂乱し、愛を確かめ合う。
楽観主義と想像性の欠如。
お気楽になりすぎて最悪の状況を考えられない。
少数の正気と多数の狂気。みたいな感じか。

シリアスなのに話が通じなさすぎてコメディにまとまる感がすごい。
そしてきちんと最後まで描ききってる感がいい。
最後まで生き延びて帰還しても、絶滅の危機はなくならないところが。

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