high-concept

ハイ・コンセプト / 人間的な感性の部分を活かして仕事をする

時代は刻々と移りかわる。
それにともなって、求められる働き方のスキルも移りかわる。
20世紀までの時代では、定型化された作業を正確に行うことだったり、多くの情報を分析して処理することだったり、ログラミングを使ってシステムを作り上げることだったりなど、いわゆる人間でいうところの「左脳的」な部分を主に使って、論理的な思考力が求められることが多かった。
しかし 21世紀になってからは、これら「左脳的な」仕事や働き方は、インドをはじめとしたアジアの低コストな地域へ外部委託され、プログラマーや化学者などの専門的な高スキルの職種でさえも、低賃金労働者へ取って代わられようとしている。
さらにインターネットが世界中に張り巡らされていることにより、時や場所に関係なく、いつでもどこでも仕事ができてしまうため、同じようなレベルの人材であれば、ヨーロッパやアメリカよりも、低コストなアジアの地域の人材へと委託されていっている。
人材だけではなく、工場などもコストを安く抑えられるため、アジアに拠点を移している企業も少なくない。

また、競争相手は低賃金労働者だけではない。
大量の情報を分析することや定型業務は、コンピューターの得意とする分野だ。
決まった動作や情報処理は、人間が行うよりも正確で、処理スピードも早いため、機械に取って代わられやすい。
自動化技術も年々進化していっているため、ますます人間が行う業務は少なくなっていくだろう。
ひと昔前のブルーカラー労働者がロボットに職を奪われたのと同じ影響が、現代のホワイトカラー労働者にも忍び寄っている。
これまで「左脳的な」職業に就いている人たちは、コンピューターが安く、迅速に、上手くこなせること以外の能力を身につけなくてはいけない時期に来ているのだ。

情報化社会の次にやってくる社会。
そしてその時代をリードするには、「左脳的な」部分だけでは不完全で、
「右脳的な」要素を発揮できるようになることだ。
「何かを想像できる人」「他人と共感できる人」
「パターン認識に優れた人」「物事に意義を見いだせる人」つまり、自動化ではできない人間的な能力を発揮すること。
20世紀までは、これらの人間的な特質は軽んじられてきた。
しかし 21世紀では、機械が作業を行ってくれる代わりに、
人間はよりクリエイティブな分野を担当するようになる。
これから訪れようとしている世の中では、大きく飛躍できるか、もがき苦しむことになるかを左右する、重要な要素になるだろう。

さらにこの「右脳的な」特質には、2つの能力が含まれている。
一つは「ハイ・コンセプト」。
これには、パターンやチャンスを見出す能力、芸術的で感情面に訴える美を生み出す能力、人を納得させる話のできる能力、一見ばらばらな概念を組み合わせて、何か新しい構想や概念を生み出す能力などが含まれる。
もう一つは「ハイ・タッチ」。
これには、他人と共感する能力、人間関係の機微を感じ取る能力、
自らに喜びを見出し、また、他の人々が喜びを見つける手助けをする能力、そしてごく日常的な出来事についてもその目的や意義を追求する能力、などがある。

ものが溢れるほどに繁栄した現代、人々は無機質のものではなく、美しさや精神性、感情といったものに対して、より大きな価値を求めるようになった。手頃で豊富な機能を追加しただけでは不十分なのだ。
それにプラスして見た目が美しくユニークで、顧客の心を惹きつけるようなものでなければ、見向きもされなくなる。
デザインや共感、遊び心などの「ソフトな資質」が、重要なアプローチとなってくる。
新しい時代に必要な感性には、デザイン、物語、調和、共感、遊び、生きがいの「六つのセンス」が、創造性と感情的・精神的欲求を満たせるような、仕事をサポートする助けになるだろう。

今の仕事を続けてもいいか見極めるための 3つのチェック項目。
① 他の国なら、これをもっと安くやれるだろうか
② コンピュータなら、これをもっとうまく、早くやれるだろうか
③ 自分が提供しているものは、この豊かな時代の中でも需要があるだろうか
①と②が YES、または③が NOなら、今後の働き方を真剣に考えなければいけない。

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