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獣の棲む家 / 罪は償うまでどこまでも追ってくる

この映画で感じたことは、罪とか、自分の責任とか、自分の犯したことを正面から見据えるとか、報いを受けるとか、そんなイメージ。
決していい印象は受けなかったし、全体的にも重い映画だった。
ホラー要素もあってビクッとなるところもあった。

ボルの祖国は確か南スーダンで、そこには格言というか言い伝えがある。
内容はざっくりとした記憶でしかないが、ある貧しい男が立派な暮らしをしたいがために、他人の家からものを盗んでいた。
あるとき男は魔術師の家と知らずに盗みに入る。
魔術師は報復として男の家に取り憑き男を食い尽くすまで呪い続けた。
この話がボルの境遇とまさに一致していたのだ。
なんで罪とか報いとか、そんなことを言うのかというと、主人公のボルが部族間戦争から逃れて来る際に、他人の子を自分の子として偽って命からがら逃げ延びたからだ。
しかも強引に連れ去ったその子 (女の子) は、ボートで逃走中に襲われ、溺死して死んでしまった。
他人のものを奪ってまで自分の命を繋いだことに、因果応報としてボルの命をいただきに悪霊が憑いて来る。
ボルはイギリスに難民として避難し、保護観察期間付きで自分の家を手に入れる。
だが家には怪奇現象が起き始め、不穏な悪夢も見るようになった。
ボルは家が悪いと感じていた。

ボルには一緒に亡命したリアルという女性と一緒に暮らしていた。
リアルはボルが他人の子を抱えて発車寸前のバスに乗り込んだところを目撃していた。
彼女はその子を守ることに決めたが、結局その女の子は死んでしまう。
リアルは自分が守れなかったことを悔やんでいたが、ボルはそのことを忘れようとしていることに憤慨し、ボルに貧しい泥棒の話を聞かせ、悪魔がここまで憑いてきていることを注意したのだ。
ボルは家を壊す勢いで悪魔を追い払おうとしたが、悪魔はボルの命を奪おうとする。
ボルは頑なに抵抗するも、もう逃れられないと観念し、自分の体を悪魔に捧げることに決める。

悪魔という神秘的なものでボルに報いを受けさせようとする。
しかし現代では悪魔というものを信じなくても、自分の蒔いた種はいつかは刈り取らなければならない、ということを悪魔の神秘性を通して伝えているように感じられる。
いいことも悪いこともいつかは返ってくる。
単純に言えばそんなメッセージを含んでいるような気がしたのだ。

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