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IT / 子供達に恐怖を植え付けるピエロ

下水道に潜む不気味なピエロが、子供を誘惑して喰い殺すというすごく残酷で怖いホラー。
見た目はピエロのような格好をしているけど、中身は人間ではなくて、何か得体の知れないこの世のものではない生き物。
少年少女を恐怖に怯えるのを楽しみながら、じっくりと追い詰めて、ピエロの顔の下から無数の牙が生えた何かが子供を喰い殺す。
そのピエロは 27年ごとに子供達を餌にして生きながらえているという設定。
その子供が一番怖いと思っているものを幻覚で見せて怯えさせ、ピエロの姿を見てしまったらもう逃げることはできない。
確実に追い詰めて子供が叫ぶ姿を楽しみながら喰い殺していく。
子供の頃に観たら、確実にピエロにトラウマを持つだろうなと思う。
映画に出てくる子供達は怖いもの見たさな好奇心と使命でピエロと対峙していくが、彼らのように勇気を持って立ち向かう子供が実際にどれくらいいるだろう。

少年たちが見つけた秘密

ビリーという少年は、雨の日に遊びに出て行った弟のジョージが行方不明になってから、ずっと弟のことを探し出そうと思っていた。
行方不明になったその年の夏、学校が夏休みに入ってから、ビルは友人たちと一緒に、弟の捜索をしようと画策する。
ビルは弟が下水道に落ちて流れてしまったのではないかと考え、下水道を捜索するつもりでいた。
ちょうどその頃から、ビルの友人たちには不思議なことが起こり始め、まるで現実に起こっているような幻覚が見えるようになっていた。
自分が一番恐怖を感じているものが自分を襲ってこようとしている幻覚だった。

ベンという少年は転校生だということもあり、友人がいなかった。
彼はいつも図書館に引きこもっては本を読み漁っていた。
ベンは引っ越してきた街のことを知ろうと歴史書を読み進めるにつれて、この街は 27年おきに人が大量に消えたり殺されたりしているという事実を発見する。
ある日ベンは、学校の悪ガキどもからいじめられそうになっているところから逃げ出した際に、消えた弟を探すために探検に出ていたビルと出会い、同じ悪ガキにいじめられている境遇から仲良くなっていく。

同じ悪ガキに目をつけられて「ルーザーズ (負け犬) 」と揶揄されている者同士が、同じ境遇から仲良くなっていく、しかも最後は永遠の絆を結ぶ仲にまでなる、という点が第二のストーリーになっている気がした。

ビルは、弟が下水道に流されたのではないかという考えと、ベンが見つけた不可解な歴史を重ね合わせると、下水道が鍵を握っており、バブとなっている場所に建っている廃墟こそが全ての元凶の場所なのではないか、と考えた。
ビルやベンをはじめとした彼らの友人たちには、不可解な幻覚と、不気味な姿をしたピエロが目撃されるようになっていた。
27年周期で街を襲っている悪魔が巣食っている廃墟に行ってみれば、全ての謎が解明されるかもしれない。
弟が消えた真相を見つけるためにも、ビルは勇気を振り絞り、廃墟へと乗り込んでく。

残忍性の強さ

ビルは 1度目の失敗を糧にして、はぐれないように、個人行動を取らないように、みんなで固まって進んでいこう、と忠告する。
でも、好奇心が強い子供達はやっぱり離れてしまうし、言い出した本人も結局一人でずんずん進んでしまうし、ピエロの思うツボじゃないか・・と感じながらも、やっぱり気持ちが先走るのは止められない。
もう死んでいるはず、とどこかでは思っていても、弟の姿が見えてしまったら、やっぱり追わずにはいられない。
弟の幻影と対峙し、自分の気持ちにケリをつけるためにも、ビルは弟の姿をした何かを自分の手で殺す。
本当の弟ではないとわかっていても、まだ 10代の子供が脳天にとどめを刺すというのは、残酷な現実ではないだろうか。
その後も本性を現したピエロのペニーワイズに、子供たちは今までの怒りを爆発させ、ピエロを袋叩きの応酬が始まるクライマックス。
人間ではない得体の知れないものだからとしても、残虐性のあるシーンが展開されていた。

R15作品とはいえ、子供がピエロを袋叩きにしたり、悪ガキが父親の首を指して殺人を犯したり、ベンがいじめられるシーンも結構残酷だったりして、生々しい作品だなと感じた。
あと、偽薬を飲まされ続けたエディとか、親近相姦な父親を殺害したべバリーとか、連れの前でバカにした父親を殺した悪ガキとか、父親の言いつけを守らず独自に弟を探していたビルとか、大人から自立しようとする子供の姿も描かれているように感じられた。

冬眠から目覚めたピエロが街を恐怖に陥れ、子供達が立ち向かおうとするのをきっかけに自立してく、みたいな感じだろうか。
なかなかトラウマ級のホラーだ。

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