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トップガン / 自信満々な天才パイロットの、挫折からの復活劇

めちゃくちゃ若い頃のトム・クルーズをこの作品で初めて見たんですが、かなりイケメンでハンサムな顔をしていますね。
これは人気出るわ・・と思いました。
作中の戦闘機が飛び交うシーンは迫力満点。
映像では戦闘機を、まるで車のように見事に操っていてすごいなと感じましたが、あれ、実際は何百キロというとてつもないスピードが出ているんですよね。
そんな猛スピードのまま管制塔をスレスレで飛んで行ったり、敵機と追突するんじゃないかというぐらいギリギリをかすめて行ったり。
あれは実際にコクピットに乗った状態で体感するととてつもなく恐怖を感じるだろう。
冒頭で恐怖に怯えて、家族を路頭に迷わせたくないからと言って、パイロットの夢よりも命を選んで辞退したクーガーの気持ちを想像するのは難しくない。
マーヴェリックのようによほど自分の腕に自信がないと、実際の戦闘で冷静さを保つことはできないのだろう。

天才が味わった挫折

主人公のマーヴェリックは、パイロットになるべくしてなったような人物で、戦闘機を操る腕前は天才と称されていた。
彼の父親も優秀なパイロットだったらしく、マーヴェリックはそんな父親の血を受け継いでいた。
父親はある戦闘中に空に消えた、と言われており、なぜ消息を絶ったのかは国の機密事項となっていて、知る者は数少ない。
マーヴェリックはそんな父親の後ろ姿を追っているのか、結構むちゃな荒運転でチームの皆を度肝を抜いていた。
自分の直感や感性で戦闘機を操作し、ルールを守ることに無頓着な性格をしていたせいで数多くの指摘を受けてきており、海軍の界隈では、悪名で有名になっているほど。
しかし、同時に天才的なパイロットとしても知られていた。

そんなマーヴェリックは、パイロット中のパイロット、パイロットのナンバーワンを決める「トップガン」の試験に選出され、相棒であり親友のグースとともに試験を受けることになった。
このトップガンは、各チームから選ばれた優秀なパイロットを集め、その中で競い合い、優秀なパイロットの中で一番を決めるというもの。
自分は絶対に負けない、誰よりもトップガンにふさわしいと自信満々のマーヴェリックだった。
しかし、試験の途中でアクシデントに見舞われ、無事戦闘機から脱出したものの、その衝撃で相棒のグースが亡くなってしまうという事故に見舞われてしまう。
相棒が亡くなったのは、自分の判断や操作が原因だと思いつめたマーヴェリックは、当初の自信を失くし、パイロットの道を諦めようとするほど追い込まれてしまう。
天才ともてはやされてきた彼は、自分の腕に自信を持っており、今まで順風満帆に過ごしてきたのだろう。
しかし、自身のあるパイロットで相棒を亡くしてしまったことで、初めて大きな挫折を味わった。
自信過剰とも言える態度で過ごしてきたことで、仲間からも反感を買っていた。
自分がスターになるのではなく、もっとチームにも気を配り、サポートするように、と指摘されたこともあった。
敵に猛進するあまり周りの状況を冷静に判断できず、後方を取られたこともあった。訓練だったからよかったものの、実地での戦闘だであれば、確実に狙い撃ちされてもおかしくない。
グースは生前、家族を路頭に迷わせたくはない、とマーヴェリックに語っていた。
そんな過去の様々なできごとや指摘が思い出され、自分の無茶が相棒の死を招いたのかもしれない。家族を残して死にたくないと語っていたのに、自分のせいで幸せな家族を引き裂いてしまった。
と思い詰めるのは無理もないだろうと思う。

結局、グースが亡くなったアクシデントは回避不能のできごとであり、マーヴェリックに非がないことが明らかにされ、彼は罪に問われることはなかった。

熱い人間ドラマ

マーヴェリックはトップガンの選抜試験に自信満々で出席していた。
彼と同じように、ナンバーワンの座に近い存在は他にもいた。
通称アイスマンと呼ばれている人物は、常に冷静に状況を判断し、操縦技術もあり、敵が隙を見せるのを執念深く待つタイプ。
彼は当初、マーヴェリックのことをライバル視しており、チームのことを危険にさらすような危険なマーヴェリックに直言するなど、厳しい態度をとっていた。
だけど、マーヴリックが相棒を亡くし、悲しみのどん底にいた時、彼なりの優しさで慰めたり、本番の戦闘では優秀なマーヴェリックが後援に回されたことに異議を挟んだりと、ライバルだけど仲間思いな一面も見せる。

マーヴェリックの教官ヴァイパーやチャーリーをはじめ、周りの仲間に励ましをもらいながら、またパイロットとしての道を歩み始める。
相棒を亡くしたことは彼にとって大きな傷と痛手を残したが、グースのおかげで自分の振る舞いを改め、自分が手柄を上げることよりも、仲間を生かすことを優先するように変わっていく。
人間ドラマの熱い作品だなとしみじみ感じた。

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