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プロダクト・レッド・グロース / プロダクトを売るための最適解

PLG (プロダクト・レッド・グロース) とは、プロダクト自体で勝負するマーケティングの手法らしい。
従来のマーケティングといえば、セールスが顧客に対して商品を売り込み、仕様を説明して、契約が取れたところでやっと商品を使ってもらう、という流れが今までは主流だった。
しかし 21世紀においては、セールスが売り込んでいる時間すらも惜しいほど、顧客は待っていてはくれない。
時代の変化が激しいとよく聞くけれど、変化に適応していくためには、プロダクトを公開して、さっさと触ってもらって体感してもらった方が早い。
そしてフィードバックを得ながら、より良く改良していく方が、ユーザーが求めていることに対応しやすい。

まずは触って体感してもらう

新しい商品が次々と生まれてくる現代では、ユーザーは早くプロダクトを使ってみて、イケてるかどうかを判断したい。
悠長に説明書を読んで使い方を覚えてから動かすよりも、動かしながらどういう機能があるか、どんなことができるか把握しながら覚えていく。
商品の魅力を手っ取り早く伝えるには、実際にプロダクトを使ってもらうに限る。
セールス主体の売り込みでは時間もかかるし、人件費もかかるし、セールスと開発の間に認識の齟齬が生まれることもあるだろう。
実際に、セールスが誇大して売り込んだことによって、実情との穴埋めの作業に追われてしまう、という結果になることもしばしば起こりうるようだ。
しかしプロダクトを主体にすれば、マーケティングチームもセールスチームもカスタマーサクセスチームも、プロダクトを中心にして、どのような方法をとれば、より顧客に魅力を伝えられるのか、市場に売り出すことができるのか、どんな提案をすることができるのか、とプロダクトの現状からブレずに考えることができる。
まずはチームメンバーがプロダクトを扱えることで、顧客の視点に立って考えることができる。

まずは触りながら動かし方を覚えよう、という部分について、ぼくはゲームでもいつからかその傾向になってきているな、と感じていた。
昔はゲームソフトに必ず説明書がついていて、操作方法やルールを読まなければうまく扱えなかった。
それが PlayStation 3ぐらいになってから説明書がつかなくなり、ゲームを起動してから、最初にチュートリアルが流れ、そこで操作方法や仕様が説明されるようになった。
いち早くゲームを体験させ、実際に遊びながら覚えていく、という手法が今では当たり前になっている。
これのプロダクト版だと考えれば、わかりやすいのではないだろうか。
iPhoneに至っては説明書すらもない。
でも、直感的な操作でなんとなく動かせることができる。
説明書がなくてもなんとなく動かせる、これがプロダクトにとって理想ではないだろうかと感じる。

プロダクトを作るにあたって注意すべき点はたくさんある。
ユーザーは少しでも早くプロダクトを触って感触を確かめたい。
でも動かすまでに色々な手順を踏まなければならないとしたら、面倒臭くなって離れていってしまう。
現代人は時間が惜しい。
スピーディに物事が進まなければやる気が削がれてしまう。
それだけ忍耐力がなくなっているのかもしれない。
ユーザーを不快にさせないためには、不要な手続きを簡略化し、できるだけ必須項目を少なくして、すぐにプロダクトを触ってもらうように工夫することだ。
そして使用画面では簡単にレクチャーを促し、「この製品では何ができるのか」を明確に提示することで、ユーザーのやりたいことプロダクトができることの認識の齟齬を埋めなければいけない。
でなければユーザーに悪印象を与えてしまい、低評価を下されることになってしまう。

サポートを手厚くする

プロダクトを売る選択肢においては、
・期間限定で全ての機能が使えるフリートライアル
・一部の機能が制限され、課金することで全ての機能が使えるフリーミアム
の 2つが主な手法のようだ。
最近はこの形が多く見られるけれど、どこまで無料で利用させるか、課金することのメリットを明確にしなければ、無料で満足され、売り上げにつながらなくなってしまうようだ。

購入してくれた新規ユーザーに対しては、解約されないために手厚いサポートを心がけるだろう。
しかし多くのSaaS企業では、既存のユーザーのことをないがしろにしているところが多い、と注意を促している。
売上を上げていくためには、購入後のユーザーに対しても、いかにマメにサポートをして解約率を下げる工夫をするか、が大事なポイントとなってくる。
そのためにはカスタマーサポートを充実させ、ユーザーレベルに適した操作方法のアドバイスを促すなどの工夫を取り入れなければならない。
新規ユーザーの開拓はもちろん、解約率の減少にも気を配る必要がある。

プロダクトでプロダクトを売る時代は当たり前になっている。
むしろそうでないと、時代に取り残されてしまう。
セールスで人海戦術をおこなっている場合ではない。
その間に他の競合は市場を開拓し、日々アップデートを重ね、機能を追加し、世界を席巻していく。
プロダクトの売り方、成功させるために必要なノウハウがぎゅっと詰まっている。
製品開発の人も、ユーザーの窓口となる人も、経営者も、勉強している人も、参考にすべき本だなあと感じた一冊でした。

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