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シークレット ウインドウ / 盗作された小説の是非が起こす事件

山奥の山荘でひっそりと暮らしていた小説家のモート。
彼は新しい作品を手がけようとするも、その怠惰な性格からいつも寝てばかりいて、面倒ごとをいつも後回しにしていた。
モートは半年前に、愛する妻が不倫していることを知ってしまい、夫婦は別居生活を送っていた。
モートは妻に未練があるらしく、未だに離婚届にサインするのを渋っていた。
そんな彼の元にある日、「自分の作品が盗作された」といって、苦情を申し立ててきた一人の紳士が現れる。
その紳士は盗作されたことと、結末が変わってたことに憤慨し、きちんと結末を書き換えた上で、再出版するようにと脅をかけてくる。
盗作をした覚えのないモートは、悪い言いがかりだとして真面目に取り合わなかったが、その紳士は、自分が書いたとする原稿をとりあえず読め、といって原稿を置いて帰ってしまった。
一旦はゴミ箱に捨てて忘れようとしたモートだが、気になって自分の書いた小説と比べてみたところ、驚くほど内容が一致していたのだった。

この紳士がいうところでは、彼は小説を 1997年に書き上げたという。
ところがモートはその前の 1995年に執筆しており、雑誌にも掲載されたので、紳士の小説を盗作することはありえない。
それでも紳士は食い下がらず、その証拠の雑誌を見せて欲しい、もしモートのいうことが本当なら、潔く身を引くからと言って、あくまでも証拠を見るまでは納得する様子がない。
それだけでなく、約束が果たされない場合は、周りの友人たちに危害が及ぶ、とさらに脅しをかけてくる。

モートは保安官や知人の弁護士に相談して、その紳士を追い払おうと手を回す。
それでも念のために、掲載された当時の雑誌を手に入れようと、モートは色々と手を回すものの、あと少しというところで、証拠の雑誌を手に入れ損なってしまう。
それはまるで、あの紳士が証拠をつかませないようにしようと、先回りしているかのようにも感じられる。
さらに紳士の正体を暴こうとしたことで、関係者が殺されてしまう。
容赦無くモードを追い詰めていく危険な紳士。
そこまでしてモードを追い詰め、結末を書き直させたかったのだろうか。

だが事件は意外な方向へ展開していく。
紳士は実在する人物ではなく、モードが作り出した架空の人物だというのだ。
モートは 1日のほとんどを寝て過ごすこともあったが、彼が寝ている時に、もう一人の男が起きていて、家に火を放ったり、友人を殺したりしていたのだろう。
妻を殺した理由は離婚を迫ったからなのか。
2年後に書かれた小説は、モードが書いた結末に不満があり、より良い結末にしようと、もう一人の存在が書き上げたのだろうか。
一連の事件は、小説の内容とリンクしていたのだろうか。
そもそもあの紳士はなぜ今になって現れたのか。
もう一人の男が目を覚ますタイミングだったのはなんなのか。
もし妻の不倫がきっかけだとしても、半年間は何事もなかったのだろうか?
いろいろな疑問が浮かんでくるも、納得のいく答えがまるで浮かばない。

モードは二重人格者だったのだろうか。
最終的に善良な方のモードは、もう一人の邪悪な男によって殺され、完全に危険なモードが乗っ取ってしまったらしい。
妻と不倫男の養分を吸い取って育ったコーンにむしゃぶりつく男。
それこそが小説の結末だったのか。
それを現実で完結させたのか。考察が捗る締めくくりであった。

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