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シン・ゴジラ / 政府がとる手際の脆さと次世代の台頭

日本が怪獣に襲われた時、いかに多くの人たちを、無事に守ることができるのか。
どれだけ迅速に危機管理対策を立て、今後の被害状況を想定し、最悪の事態に備えるか。
一つひとつの判断に慎重を期し、だからといって決断を躊躇すれば、取り返しのつかない事態になり、国は崩壊、機能しなくなる。
自国だけの問題では済まされない。
世の中は国際社会だ。複雑な利害関係もある。
日本が滅びたとしても、日本だけで被害が収まれば、地球規模では安泰である。
必要な犠牲、というもの。
だけど、怪獣ごときで日本を焼け野原にするわけにはいかない。
最後まで諦めない意地がある。

もし、今の日本にゴジラが出現し上陸したとしたら、日本はどんな対応をとるのか。
状況を把握し、とるべき対策を検討し、どんな方法が考えられるか。
日本の頭脳を結集し、解決策を絞り出し、できることを全て振り絞る。
国際的な圧力に屈することなく、粘り強く、最後まで機会を伺う。
ゴジラがどうのこうのではなく、ゴジラという脅威によって、日本の胆力が試される。
日本の覚悟の強さが問われているように感じられた。

年功序列、トップダウン方式の指示、お役所の仕事。
ことは急を要する。
できることを素早く決断しなければならない。
だらだら会議を続け、現場は指示が来るのを待っているだけでは、被害が広がるのをぼーっと眺めているのとなんら変わらない。
ああでもない、こうでもないと押し問答を続け、誰が責任を取るのか、どこが管轄を持つのか。
それだけで貴重な時間は過ぎてしまう。
今までに事例がないからといって、何が当てはまるのか、何を基準にするのか、指針がないと判断ができない。
何人もの人の間で情報が伝達され、その度に時間のロスが増える。現場では勝手な行動が許されない。
状況に柔軟に対応させるための指揮権が与えられない。
どんなことでも責任を押しけられたくはないからだ。
決めてもらった方が楽である。

官も民も、所属も管轄も関係なく、自分の国を守るためには協力しなければならない。
垣根を超えて、立場を超えて、とるべき手段、効果的な手法を見つけ出すことが必定だ。
自分ごととして責任を取る覚悟ができていれば、しがらみなど関係ない。
皆がフラットな状態が、次世代の強みになり得る。

日本の重い腰を顕著に表し、風刺したような本作。
いつまでも旧体制ではいられない。
スピード感を持って行動ができるか。
かつての日本はボトムアップで現場主義の時代もあった。
時代の変化に合わせて、国や組織も変わることが求められているだろう。

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