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サイレントヒル / 灰が降り積もる隔離された町は、迷い込めば出ることはできない

1999年 3月 4日に、コナミデジタルエンタテインメントから発売された PlayStationソフト『サイレントヒル』。
ホラーゲームとして人気を博したようですが (ぼくはプレイしていません)、このゲームをもとに映画化しようと、監督のクリストフ・ガンズは、2000年初頭から約 5年間もの間、コナミにビデオレターを送るなどしてアプローチ。
そして 2004年に映画権を取得して製作した、とかなり力の入れようです。
ゲームの細部の再現性にも注意を払っているらしく、セットデザイン、音楽、色調など、ゲームを遊んだことのある方は、より楽しめるのではないでしょうか。
ゲーム自体の内容を知らないので、詳しくは言及できませんが、ホラーよりもグロ表現が、ぼくには印象的でした。

ローズとクリストファー夫妻は、教会に捨てられていた赤ちゃんを養子として迎え入れ、シャロンと名付けて育てていた。
娘のシャロンは夢遊病を発症し、その間は記憶がなく、「サイレントヒル」という言葉を繰り返す。
ローズはシャロンが描いたスケッチを手掛かりに、サイレントヒル、という町を調べ、シャロンとの関連性を探るために足を踏み入れる。
そしてシャロンは、忽然と姿を消してしまう。
サイレントヒルという町は、かつて大火災が発生し、それが原因なのか、地下にある炭鉱が燃え続け、空からは灰が大量に降り続いている。
視界が悪く、つねに霧がかっていて、町に迷い込んだら最後、二度と出ることはできない。
まさに世界の裏側、とった感じだ。

この町には不気味なクリーチャーが徘徊していて、定期的にサイレンが鳴り響く。
サイレンが鳴ると町の形相は一変し、暗闇の中で、頭にピラミッドを被ったような巨大なクリーチャーと、画面を覆い尽くすほどの大量の昆虫が出現する、闇の世界が姿を現します。
地を這う黒い昆虫が苦手なぼくは、まさに目を背けてしまうような光景。
体がむず痒くなるホラー、といったところでしょうか。
サイレントヒルには、迷い込んだ、というよりはむしろ、囚われている人たちが存在します。
彼らは一種の宗教団体で、この町が今のように隔離された世界へとなった、関係者でもあったのです。
そして娘シャロンは、彼らと因果関係を持っていたのでした。

人は、自分たちとは違うと認識した人間に対して、かくも残酷なことができるものです。
自分たちに害が及ぶ前に、必要悪として断罪する。
それが宗教という組織になると、神の名において、もはや正義となる。
しかし、被害を受けた側としては、恨みや悲しみが積もり、さらに対立を深めることになります。
サイレントヒル、シャロン、囚われた宗教者の過去の行い。
全てがつながるとき、残酷な面に息が詰まります。

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