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アダム&アダム / 未来の宇宙を救うため、子供の自分とタッグを組む

2050年に生きる航空士アダムは、2018年の過去に行ったきり戻ってこなかった恋人を探すため、自らもまた危険を冒し、2018年にワープしようとしていた。
ある計画を阻止しようとする監視官の目をかいくぐって。

2050年頃の地球がどうなっているのか、難しいことはわからない。
ただし、宇宙の管制を司る機関は、一人の女性の支配下にあった。
彼女は宇宙の時空空間を移動する研究を、ある男性とともに共同研究していたものの、男性の死により、全てを掌握する結果となった。
その共同開発していた男性こそ、アダムの父親であった。
アダムの恋人は、2050年の悲惨な宇宙事情を打開すべく、全ての始まりの場所、2018年に渡り、研究の開発を破壊しようと飛んでいたのだった。
しかしいつまでたっても戻ってこないため、アダム自身も飛び立つことに決めたのだ。
しかし設定ミスにより、到着したのは少し後の 2022年だった。

時空を超えてきたものは、特に未来からやってきた者は、過去の人物と容易にコンタクトをとってはいけない。
また、過去の自分と遭遇することは、将来の自分に影響を与え、ひいては未来の時間軸を書き換えることにもつながるため、慎重に行動しなければならないといわれている。
アダムは自宅付近に降り立ち、過去の子供の自分と出会っても悟られないように気をつけていたが、勘のいい子供のアダムは、いきなり訪れた来訪者が、自分の未来の人物であることに気がつくこととなる。
大人のアダムはワープする際に重傷を負っていた。
そして任務を遂行するためには、自前の船を操る必要があった。
しかし健康体でなければ船を起動させることができないため、子供のアダムを利用して、恋人を探す任務を一緒に遂行することにした。
過去の自分と干渉を測れば、将来の時間軸に影響を与えることになるが、時間はいずれ修復し、出会ったことを記憶から消し、無かったことになるので、細かいことを気にする必要はない。
とアダムは楽観的である。
干渉することよりも、恋人を救うことを優先した。

アダムは時空間の研究を破壊するためには、早くにして亡くなった父親と再会する必要があった。
アダムは父親のことが大好きだった。
しかし悲しみに向き合うことができずに、いつしか憎むようになる。
人は悲しみと向き合うことよりも、憎むようになることの方が易しい。
大人になればなるほど、人の心は硬くなり、自分の考えに固執するようになる。
アダムは子供の自分にいわれるまで、父親との温かな思い出を忘れてしまい、自分の都合のいいように改変してしまっていた。
子供とは時に、大人が忘れてしまったような真実を突くことがある。

未来の自分が過去の状況を冷静にみることで、当時は伝えきれなかった想いを伝えることができる。
また、当時の自分から教わることもあれば、大人になった自分から教えることもできる。
最終的に、時間軸の修正によって記憶から消えてしまうとしても、どこか心のうちに想いが残っていれば、それが影響して、良い方向に物事を変えることができる。
アダムは過去の家族と再会することによって、わだかまっていた心にけりをつけることができた。
たとえそれが一瞬のうちであったとしても。

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