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ボーン・アルティメイタム / 出生の記憶と極秘作戦の真相が明かされる

前作の『ボーン・スプレマシー』の続きから始まる今作。
CIA捜査官のパメラに電話をしていた最後のシーン。
2人の人間を殺した殺人容疑が晴れて、自由の身になってよかった、と思っていたのに、実はまた厄介な事件に巻き込まれていた最中だったとは。
CIAに付け狙われ続けるとは、つくづくかわいそうな運命だけど、それもこれも自分の身を守ろうとする CIA長官たちの保身に振り回されてのことだった。
「アメリカの国民を守るために」始まった極秘任務の作戦は、国家機関が独善的に手を下せるようにと始まった計画だった。
犯罪者を法のもとに判決を下すのではなく、自分たちの都合の良いように正義を下そうとする。
もはや CIAには国家の方など関係なく、「自分たちが法だ」と言っているようなもの。
フィクションではあるものの、真実味をはらんでいるかもしれない。

CIAの極秘任務「トレッドストーン作戦」のために、CIA特殊工作員として入隊したボーン。
その作戦の指揮をとっていた人物が前作で死亡し、その作戦は中止されたものの、その上位版となる「ブラックブライアー作戦」が施行された。
だが、それは CIAが独自に犯罪者を消し去るもののことで、表沙汰になれば世界中から批判を受けるような内容だった。
その極秘作戦が内部告発によって、イタリアの記者の耳に入ることとなる。
極秘作戦を知ったその記者と、情報を漏らした告発者は、危険人物だとして CIAから抹殺される対象となってしまう。
ボーンは、その記者が寄稿した「トレッドストーン作戦」の記事を読み、コンタクトを測ったときに「ブラックブライアー作戦」を知る。
ゆっくり詳細を聞きたかったはずなのに、記者は命を狙われていた。
とりあえず安全なところへ、と助け出そうとしたことで、CIAに見つかってしまい、またしても敵に回ることとなってしまう。

CIAの上官は、邪魔者はたとえ身内のものであっても殺す、という強固な姿勢をとる。
対してパメラは無用な殺人は控えるべきだと主張し、ましてや罪のないボーンや協力者を殺すなどあり得ないとして、指揮官同士が対立する。
しかしパメラもまた駒であり、責任を押し付けて口をふさぐ要員でしかなかった。
権力を握った者は、保身とご都合主義に忙しい。

自分に関する全ての記憶を喪失していたボーンは、断片的に記憶を取り戻しつつあった。
ボーンは CIAのパメラ捜査官から自分の本名を教えられ、ジェイソン・ボーンとして生まれた研究所に立ち戻ることになる。
彼は研究施設でたびたび拷問にかけられていた。
それは暗殺者として洗脳させるために行われたものだった。
ボーンは「強制的に」暗殺者へと訓練されたと思っていたが、実は「自分から」進んでアメリカの平和を守るため、CIAに志願したのだった。
しかしその手段はボーンが望んだ形ではなかった。
追い詰められた彼は、暗殺者として生きる道が正しいと信じ、昔の名前を捨て、ジェイソン・ボーンが生まれる。
彼は「トレッドストーン作戦」の第 1号に選ばれる。
だが記憶をなくし、自分の生き方を改めて見た直したとき、暗殺者としての生き方を捨てる道を選ぶ。

CIAは世界のテロ行為から市民を守るために、電話やメールなどを盗聴・監視しているといわれている。
その事実を世界中に公表したのが「スノーデン氏」で、彼もまた犯罪者として身柄引き渡しを迫られているけれど、その一端が今作でも垣間見れた気がした。
記者が「ブラックブライアー」というワードを電話で発したことで、CIAはどこで発信されたのか、一瞬で追うことができる。
市民の安全を守るために、プライバシーが侵害されている。
自分たちの知らないところで、情報は筒抜けなのだろう、と感じた。
フィクションだけど。

ボーンシリーズといえば、派手なアクションやカーチェイスが多い。
普通の人だったら立って歩くことができないだろうぐらいの激しいカーチェイスでの打ち付けられようだった。
さらに窓から窓へ飛び移るシーンは、もはや常人を超えている。

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