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メモの魔力 / 思考を客観的に観察する、抽象化を導く手引き

ぼくは普段、メモ帳というものを持ち歩かない。
メモをする時といったら、仕事でちょっとしたことを忘れないように、付箋に書きつけておくとか、電話対応をしながら、相手が言ったことを書き付けるとか、そんな程度にしかメモを取ることがない。

しかしメモというのは、意外と身近にある方が便利だと感じる時がある。
それは何かアイデアがふっと思い使いた時にすぐに書きつけておけば、「あ、この前考えていたやつ、あれなんだったっけ?」と思い出すことに苦労せずに済むからだ。
思考のひらめきというやつは、その瞬間にしっかりと握り締めなければ、またたく間に消えてなくなり、忘れてしまうからだ。
こんなことを書こうというネタや、あんなところを改善しようと思ったことも、頭の中だけにとどめず、メモすることで忘れず、あとから見直すことができる。

もちろんこの本は、忘れないためのテクニックを載せただけの本ではない。
世の中にあるあらゆる事象から、どんなことを学べるだろうか、どんなことが読み取れるだろうか、その事実から、他に応用できる部分はないのか、をメモという行為によって探り出そうとすることにある。
事実から読みとれることを抽象化し、本質を探り出し、別のことに転用する、または新しい何かを生み出す。
その思考を頭の中だけで行なうのではなく、紙の上に書き出して、視覚で認識しやすくすることにより、より思考を鋭く、明確化しようというのである。

本質を探り出すためには、あらゆる視点から考察し、「つまりこういうことだ」とまとめること。
抽象化して一言にまとめるために、メモを通して書き出し、事実を客観的に浮かび出させる。
そのためには深い思考が必要とされ、「なぜ」を問い詰めなければならない。
それは社会のことでも、自分のことでも同じこと。
世の中のことをよく知るために、仕事のことをより知るために、自分の性格、内面、価値観、思考をより知るために、メモに書き出して、深く深く潜っていくのだ。

メモをとることによって、思考の訓練になる。
メモをとることによって、自分や世の中のことを深く見つめることができる。
メモをとることをおろそかにしてはいけない、ましてや軽んじることなんてもうできない、とメモに対する認識が大きく変わるだろう。
巻末の、自分のことをよく知るために 1000の質問が用意されている。圧巻である。
メモに対する熱量のすごさが、ひしひしと伝わってくることは間違いない。

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