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パーフェクトデート / 等身大の自分に気づく

主人公はブルックス・ラティガンという男子高校生で、彼はイェール大学に進学したいと思っていた。
大学には進学したい理由をまとめた論文を提出しないといけないみたいなんですが、ブルックスは学校の先生に「こんなんじゃダメだ」と突き返された。
ブルックスは世界を変えたい、世界が良くなるためには変化が必要でしょ、と訴えるんだけど、じゃあ何をしたいの? と突っ込まれて押し黙ってしまう。
世界を変えるには具体的に何をしたいのか。
ブルックスはそこを考えていなかった。

ブルックスはシェルビーという女子高生に一目惚れするんだけど、このシェルビーは裕福な家族の生まれで、貧乏学生のブルックスには高嶺の花。
シェルビーと将来について話し合うシーンがあるんだけど、彼女は大学で何を勉強して、将来は父親の仕事を手伝って、その後は…と人生の計画を立てている。
「あまり将来のことを計画立てすぎるのは良くないと思ってるんだけど…」とか言いながらほぼ決まっているような感じ。
逆にブルックスはイェール大学に通いたい、そこで何を勉強して将来は何になりたい、まで考えていなかった。
学校に提出した論文にも、誰々のようになりたいとかばかりで、憧れるのいいことなんだけど、虎の威を借りる的な感じで、「自分がどう生きていきたいのか」を突き詰めていない。

でも高校生とかってそんなものじゃないかな、なんて思うんです。
ましてや自分が何者であるかなんてわからない。
どうしたいのかなんてわからない。とりあえず大学に行けば、とりあえず何かやって行けば、自ずとなりたいものが見つかるんじゃないか、そう考えるんじゃないかなって思います。
シェルビーのように身近に憧れる人物とかお手本になるような人物、それが父親だったわけだけど、そうやって自分の理想を反映した人生を歩んでいる人物が身近にいて、その姿を見続けてきたからこそ、自分の進むべき道、的なものを早く悟れたんじゃないのかな、って思うんです。
対して一般的なブルックスは憧れる人物はいるけれども、対象が多すぎてどの道に進んでいったらいいのかわからない、自分が何に興味があって何に没頭できるのもがあるのか、何に向いているのかなんてわかっていない。
だから抽象的になりがち。
高級車を乗り回したい、お金持ちになりたい、美人と付き合いたい、豪華な部屋に住みたい。
世間的に成功者と言われるような部類に入りたい。
そうやって夢見るようなところが高校生ぽいというか、そんな感じがします。

ブルックスはちょっと背伸びしているんだけど、そのことによって自己中心的になっていく。
周りが見えなくなっていく。
その結果親しくしていた人がだんだん離れていっていく。
自分が夢に向かっていって進んでいって、人生のレベルが上がった時に、周りの人間が変わっていくということはあると思うんですが、ブルックスは逆に人生のレベルが下がるようなことをしてしまった。
それが嘘をついて取り繕って人におもねって入学を勝ち取ろうとすることに現れている。
でもブルックスは気付くんですね。
背伸びして自分の身の丈に合わないことをしてくと、結局は自分が辛くなっていく。
自分が違和感を感じる世界に入り込んでも求めるものは得られない。
本来の自分を偽っているからいずれ辛くなってくると思うんです。
苦しくなった時にふと立ち止まって、本来の自分に立ち返る。
彼は自分に正直になることによって、失った関係を取り戻し、自分の将来を再考するようになった。

ブルックスはセリアという女子高生にも出会うんですが、彼女は自分の好みがはっきりしていた。
自分に似合うスタイルをわかっていたし自分の感性も大事にしていた。
セリアはフランクリンという男の子が気になって、ブルックスのおかげでお近づきになってデートまで持っていく。
彼の気を惹くためにちょっとした嘘をついてしまうんだけど、彼が好きすぎて自分を彼の好みに合わせようとはしない。
フランクリンは実はストリートアートをやっていることをセリアに打ち明けるんだけど、セリアはそのアートを批判していたし、そのことを知って感性が合わないと判断すると一気に冷めていった。
まぁとても現実的と言えるし冷めた部分もあると言えるかもしれないが、自分を相手に合わせてまで曲げようとはしないところが強いですね。
逆にブルックスは相手の要望に合わせて役を演じるビジネスをやるなど、自分のスタイルを確立していないようなイメージを受けます。

結局ブルックスは自分がどういう将来を送っていくのか結論は出ていないんですが、僕がいろんな本を読み始めた中で感じたことは、様々なことを「経験」して、自分には何があっているのか、自分の長所はどんなことなのか、自分の能力はどんなことが得意なのかを知ることから始めないといけない、ということです。
いろんなことをやってみて夢中になれることを発見すること。
少しでも興味が湧くことに集中すれば、し続ければ、やりたいことが見つかるんじゃないかなぁと思うんです。

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