thinking-ahead

未来に先回りする思考法 / 価値の変化に対応できるよう行動し続けること

これまでにない急速な時代の変化が起こっている今、先を見通すことができれば、自分の取るべき対策も自然に見えてくるはずだ。
著者は、ある事象を「点」として捉えるのではなく「線」として把握する必要がある、と述べている。
ポッと出たような「点」はいずれ「線」に取り込まれる。
「点」はどこへ向かう「線」へ繋がるのか、社会の移り変わりを見ていけば、こう変化していくだろうと予測が立てられる。

本書では産業革命の近代から、インターネットが普及して現代、その先の未来を順を追って観察している。
たくさんの観点から論じられているけれど、一つは「必要性」がキーワードとなる。
国家が興ったのも国民を統制する必要性からであり、Googleが検索に力を入れたのも、あふれ出した情報を整理する必要性があったからだ。
いま求められているものは何か。
必要とされているものはどんなことか。
そのニーズに応えることができれば、企業や個人の価値は必然的に上がっていくだろう。

「価値」と言えば、今までは「貨幣」という資本が価値を持っていた。
しかし価値の概念も変わりつつあるという。
例えば資本 (お金) を持っていなくてもフォロワーが 100万人いれば、世間への影響力は大きいだろう。
その人がクラウドファンディングで事業を始めようとすれば、たちまちにして資金は集まるかもしれない。
いかにお金を持っているか、よりもいかに支持を得ているか、に価値を置きつつある。
そしてこれからは「情報」に価値が移行して行くだろう、と著者は見ている。
情報を持っているものが時代を制する。
膨大なビッグデータを用いて AIで個人に最適な情報を提供したり、新たなシステムを作り出したり。
根幹を握るものが強さを増していくだろうと。

そして政府と企業。
膨大なユーザーと資金力のある Google、Amazon、Facebook。
国が管理するインフラにまで触手を伸ばしている企業、企業が集めたデータを利用しようとする政府。
「政府の企業化」と「企業の政府化」のように、互いの境界線が薄れつつあり、融合しようとしている。
『After GAFA』にも、権力や情報が中央に集中する「中央集権」から中央管理がなくなり、それぞれが繋がり合う「分散化」へ変化するだろうと書かれていた。
GAFAだけでなく、政府という中心権力の存在が薄まっていく可能性もある、と予測している。

「評論家になるな、実践者であれ」著者は最後にこうアドバイスしている。
「できるかどうかわからない」ことはやってみること。
トライアンドエラーを繰り返し、スキルが上達することで、できないこともできるようになる。
本当にやれないことは「想像できないこと」だという。
準備を万端にしてからでは遅すぎるし、そもそも限界がある。
時代の移り変わりが激しい現代では、いかに身軽に動けるか、対応できるかが諸部となる。
わからないという「余白」を持つこと。
人は成長する。
今無理だと感じても、自分の成長を試算に入れること。
成長に伴って余白も埋まっていく。
でも「余白」は常に持っておき、完璧を求めすぎないようにする。

無駄な努力はない、しかし「報われない努力」はある。
何をやっても成果が出ないことには早めに見切りをつけて、違うことをやり始めるべきだ。
努力を成果に出すために、時代の流れを読む、パターンを読む。
過去の歴史を振り返り、同じような傾向がないか調べる。
人間の起こすことには一定のパターンがある。
それを掴めるかどうかが生き残れるかにかかっている。
そしてタイミングを見誤らないようにする。
パターンを解析するには「原理」に立ち返ることだ。
なぜそれが生まれたのか元をたどれば、現在に起こっている流れが見えてくる。
パターンが見えたら、感情は抜きにして従うことだ。
自分がいいと思ったものは他人も同じように思う。
その先は競争が待っている。
一見ロジックがおかしいように思えても、パターンが正しいことは多い。

ざっくりまとめてみたけれど、なかなか実践するには難しい。
イノベーターとは新しく生み出すことよりも、未来に先回る力がある人のことを言うのかもしれない、と述べている。
先回りするにはかなりの努力が求められるだろう。
時流という流れはとめど泣く流れ、未来の展望は決められている。
ぼくたちはその流れに逆らうことなく乗り、少しでも早く起こるべき未来を実現させること。
顕在化している問題を解決し、誰もが便利に生活できるようにすることで、世の中の不幸を早く片付ける。
そうしてより多く幸福に近づけよう。
未来に先回りすることで、幸福の実現を早まらせることができる、と。

情報化の時代。
処理性能が上がったことで AI技術が一層加熱している。
人間に扱いきれない量をコンピューターが取捨選択していき、人間が反応する時代。
何に「必要性」を感じるかを察知する感性が必要になってくるかもしれない。

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