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働き方5.0 / IT化の世界で個人が生き残るために大事な資質

数年前に出版された『魔法の世紀』の情報を新しく刷新して、コロナ禍に発売された本書。
時代の移り変わりは激しいとよく聞くけれど、数年経っただけで技術の進歩も社会の在りようも変化しているので、それに合わせて最新の生き方のアップデート版になっているようだ。

競争率が上がる仕事

AIがこれから台頭してこようとする中で、ぼくたち人間はどうやって生き延びていけばいいのだろうか。
人類滅亡とかそういう話ではなくて、コンピューターが人間の仕事を代替するようになれば、仕事があぶれる人がたくさん出てくるだろう。
仕事が無くなったとしても、新しい技術が出てくることによって、新しい職種が生まれるかもしれない。
でもただそれを待ちわびるのではなくて、自分でできることを切り開こうとする力、人間にしかできないことをやろうとする人間力が試されていく時代になる、という気にさせられた内容だった。
今人間が行なっている中間管理職のような仕事は、コンピューターに取って代わられるだろう。
何をするか、どうするかといったシステマティックな判断はコンピューターが行い、下された判断を人間が処理するような時代がやってくる。
サービス業などのような対人間の仕事、コンピューターにできないような領域の仕事は人間が行うけれど、ある意味で限定的な職種になるかもしれない。
コンピューターが次々と仕事を行うようになれば、人間の仕事は無くなっていく。
その時、人はどうやって生きていけばいいのか。
どんな人間がコンピューターに負けない人材となるのか。

今教育業界では、子供のうちからプログラミンを習わせよう、という傾向にあるようだし、これからはコンピューターの時代だから、プログラミンができれば仕事にありつけるかもしれない、と考えている人が多いようだ。
IT業界はこれからますます人材を募集するだろうし、需要は高まると思っている。
確かにそうかもしれない。
でも著者によると、プログラミングができたからといってそれで安泰ではないらしい。
今やプログラミングができる人は世界各国でたくさんいるし、インドなどのアジアでは、先進国の人よりも安い賃金で同程度のクオリティで仕上げることができる。
プログラミングは競争が激しく、外注のコストが安いアジアと比較するとかなり不利になるだろう。
これから必要なのはプログラミングができることではなく、プログラミングを使って何ができるか、何をしたいか、というシステムを「生み出す」側の人材が求められるということだ。
コンピューターに「使われる」のではなく、コンピューターを「使う」側に回らなければいけない。
ただ「勉強」するだけではダメで、勉強した知識を使って「研究」する人にならなければいけない、という。
「どんな問題を解決できるのか」「世界をどんな風にしたいのか」という目的意識を持って能動的に動ける用意ならなければ、使われる側に、もっと言えば搾取される側に回ってしまう。

専門分野を極める

情報化社会で求められる人材は、その人にしか持っていない知識、その人でしかできない能力を獲得することができるかどうかにかかってくるらしい。
何かわからないことがあっても、インターネットで検索すれば、大抵の情報は見つけることができる。
重要なのは、ネットに書かれていないような、簡単に見つけられないような深い情報を持っているかどうか。
経験や感覚を豊富に持った、その人だからこそわかる・できるような専門性を身につけているかどうか、簡単に他人にコピーできないような知識を持っているかどうかが、社会を生き残る上で何よりも重要になってくる、ということでした。
「個人の力を高めよう」とよく言われているけれど、会社で働いて1000万の年収を得るよりも、1000万の値打ちがある個人になれ、と落合さんも述べている。
そうなれば、高い専門性と深い知識を身につけて唯一無二の「個人」として独立できる。
専門家になるためには、コンピューターを使ってシステムを作り出し、問題を解決しよう、というモチベーションが必要だ。
問題を解決するために 1日24時間、1年365日そのことを考え続けられるほど没頭することができなければ、専門家まで行くことができない。
「自分の好きなことをしよう」とよく言うけれど、好きなことで何をしたいのか、どんなことを達成したいのか、どんな問題を解決したいのか、その先のことを考え続けなければならない、ということを何度も繰り返し述べられていた。
前に「起業家のような生き方」に関する本を読んだけれど、その内容とも考え方は似ているようだと思った。

人間は考えることができる。
それはコンピューターにはできない、人間が優れた部分だ。
「考える」ことを駆使して論理的な思考を行い、ロジックを組み、システムを作り上げていく。
世界は人間で回っている。
人間で回っている以上、人間が解決できる問題はたくさんあるはずだ。
だから問題を見つけ出す力、システムを作って解決する力を育てる。
コンピューターはそれを手助けするツールでしかないのだ。
世界をより良くしようというモチベーションが専門性を高め、個人の力を高めていく助けになる。
これこそが「自分で生きていく力」になるのだろうという気がした。

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