zodiac

ゾディアック / 未解決事件を追い続けた男の調査記録

1969年に実際に起こった殺人事件をもとに映像化された作品。
この事件自体の犯人の目星はついているものの、当時は状況証拠しかなく、確実な物件証拠が出なかった。
20年経っても捜査は続いているようで、未解決事件となっている。
容疑者の男も途中で心臓発作によって亡くなっており、真相が判明したとしても、実質法で裁くことはできない。
新聞各社に暗号文で犯行声明を送りつけたりして、人を殺すことを愉しんでいるように感じられる。
事件当初は犯人の検挙に力を注いでいた刑事も、数年後に捜査を打ち切っており、担当の管轄だった警察署が引き続き捜査を続けているらしい。

犯罪予告をしてきた人物

ゾディアック事件を根気よく調査し続けたのは、新聞会社で漫画を担当していたグレイスミスさん。
彼は「ゾディアック」と名乗る犯人から送られてきた最初のメッセージの時から、この事件のことが気になっていた。
若い男女が射殺されたのを皮切りに、カップルを狙った殺人事件や、タクシードライバーの射殺事件、母子の誘拐未遂事件など、立て続けに犯行を重ねていく。
それでも数年が経ち、誰もが事件のことを忘れても、警察も捜査に行き詰まっていた時も、常に真相を探し続け、独自に調査していった。
なぜそこまでグレイスミスはこの事件に夢中になったのか。
本を読むことが好きだった彼は、暗号文で送られてきた犯行声明文に興味を持ったのがキッカケなのだろう。
自分の中でテーマにしているものが似通っていたからかもしれない。
正直ぼくにはそこまでのめり込む情熱がどこから来るのか、検討もつかなかった。
それでも何かが彼を突き動かし、警察も気づかなかった関連性を導き出すことになる。

殺人が行われたのは、最初の数年だった。
それから犯行声明の予告文は度々送られてきていたが、犯行自体は行われなくなり、人々の記憶からは忘れられる。
なぜ犯人は連続殺人を急に止めたのか。
普通なら、捕まらない自分は警察よりも優秀だと感じるし、回数を重ねるほど犯行に自信がつき、大胆になっていく。
周期があるとはいえ、何年も犯行が止まることは稀だ、と途中感じていた。
でもそれは、犯人が別の容疑で逮捕され捕まっていたからで、数年後は精神病院に入院していたことが判明する。
収容されている間は動くことができないため、犯行が止まったのも頷ける。
グレイスミスのたゆまぬ調査で、その謎も腑に落ちた。

事件を追い続けた漫画家

犯行を犯した者は特定したが、犯行文に書かれていた筆跡は別人の者だったらしい。
犯人の情報を提供してくれた人物の中に、偶然筆跡が似ている人物と遭遇するグレイスミス。
手を下す者と撹乱する者、犯人は 2人だったのか。
詳細は闇の中で、犯人から語られることはもうない。

10年以上にわたりゾディアック事件を追い続けたグレイスミス。
一つのことをここまで追い続ける情熱はすごいなと感じた。
新聞社を辞めてまで、警察でもないのに、いち漫画家が事件の真相を解明するまで粘り続ける。
この事件を風化させないために、証言や証拠をまとめて一冊の本まで出版した。
グレイスミスは、犯人の目を見て、そいつが犯人かどうか見極めたいと望んでいた。
精神病院から退院し、一般人として働いている犯人を見つけ出し、じっと彼の目を見つめる最後のシーン。
グレイスミスはその時何を思ったのか。
ぼくには、やはりこいつが犯人だ、と確信したように感じられた。

その他の記事